医療現場の英語

医療現場で使われる英語を解説します

nanoknife

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ナノナイフ 

 

ナノナイフは高圧電流によって腫瘍の癌細胞に穴をあけて死滅させる治療法です。2008年アメリカ食品医薬局(FDA)の認可を受けて欧米を中心に行われています。ナノナイフは重要な血管があるためにこれまで手術が困難であった肝臓癌、膵臓癌など切除ができなかった癌の治療に採用され、欧米で成果をあげています。

 

原理

ナノナイフは正式には不可逆電気穿孔法と呼ぼれています。腫瘍を挟むように針を刺します(通常3から4本)、ここに高電圧の直流電流を短時間流すことにより、細胞膜の電位が変化し、細胞膜に穴があきます。これにより細胞死が起こり、腫瘍は消滅します。

 

ナノナイフは血管や神経など繊維質の部分には影響を与えないため、細胞部分のみが影響を受けます。血管内皮細胞などは損傷しても、死滅した細胞は新たな細胞に置き換えられます。

 

手術

手術は2から4時間で終了します。患者は手術後1晩経過観察のため入院して、翌日退院することが出来ます。患者は手術の前後に、感染予防のために抗生剤を服用します。

 

利点

ナノナイフの利点として次のものがあります。

  • 開腹手術を必要としない(腹腔鏡手術)。
  • 健康な組織への損傷が少ない。
  • 治療後の痛みが少ない。
  • 副作用が少ない。
  • 入院日数が少ない。
  • 術後すぐに回復できる。
  • 新たな腫瘍が見つかっても再手術が行える。

 

対象

ナノナイフは通常の癌治療が効果がない患者に行われます。ナノナイフはペースメーカ装着者、心拍数に異常のある人、神経刺激装置の装着者には使用できません。

 

日本での臨床

日本では、ナノナイフの臨床は2015年に東京医科大学病院で初めて行われました。国内では同病院でのみナノナイフ治療が行われています。現在、公的保険が適用されないため高額な治療費が必要です。ナノナイフの治療費は入院費用を含めると200万円近くかかりますが、これまで切除できなかった腫瘍を消滅させることができるので、ナノナイフはこれまで救えなかった癌患者を救える可能性があります。

 

Keywords

腫瘍 tumor;神経刺激装置 nerve stimulator;ナノナイフ NanoKnife;不可逆電気穿孔法 irreversible electroporation