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医療現場の英語

医療現場で使われる英語を解説します

anatomy and physiology of hearing

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聴覚器官の仕組みと働き

 

 

人が音を聴くとき、音波は空気で満たされた中耳の3個の小骨を介して鼓膜(空気伝導)から蝸牛内にある液体で満たされた卵円窓と基底膜に伝わります。

 

小骨は鼓室から卵円窓への音の利得を約18倍に増大し、音波が液体に伝わる時に生じる損失を調整します。小骨が無くとも、音波は側頭骨(骨伝導)の振動により蝸牛に到達しますが、大きな損失が生じます(約60dBの損失)。

 

蝸牛の基底膜に沿って配置された有毛細胞は膜の振動を周波数毎に検知して振動を神経インパルスに変換します。神経インパルスは神経細胞により同側橋被蓋の蝸牛神経核に伝達されます。

 

螺線形の蝸牛は機械的に音の周波数成分を分析します。高い周波数の音については、基底部の感覚細胞のみが作動するのに対して、低い周波数の音については、ほとんどすべての感覚細胞が作動します。

 

従って、蝸牛やこの求心性神経に障害があると、周波数の聴力レベルが異なるため、高い周波数の音より、低い周波数の音がよく聞こえるようになります。

 

脳幹内で、音の信号は腹側と背側蝸牛神経核から両側の上オリーブ核に到達します。従って、蝸牛神経核の異常を原因として片耳の難聴は起こりません。

 

横方向の毛帯から下丘に音信号が伝わります。各下丘は他方の下丘や同側内側膝状体に音信号を伝え、最終的に同側の側頭葉上部の聴覚状回に音信号を伝えます。

 

通常、耳は20から20,000ヘルツの音を聞き取ることが出来ますが、加齢により、高い周波数の音が聴き取り難くなります。耳は500から4000ヘルツの音が最もよく聞き取れます。この音域は会話を理解する上でもっとも重要な周波数領域です。

 

この範囲の聴力レベルは障害の程度と音の増幅による矯正の可能性があります。すなわち、老人性難聴は高い周波数の音を低い周波数の音に変換することにより、改善します。老人性難聴に対応した補聴器やスピーカが発売されています。

 

会話において、30から40デシベルの聴力レベルでは通常の会話に障害がでます。これに対して、80デシベルの聴力レベルは日常の会話をほとんど聴きとることが出来ません(耳が聴こえないと定義されます)。

 

Keywords

内側膝状体 medial geniculate body;オリーブ核 olivary nuclei;下丘 inferior colliculus;蝸牛 cochlea;基底膜 basilar membrane;求心性神経 afferent nerve;骨伝導 bone conduction;鼓膜 tympanic membrane;小骨 ossicle;側頭骨 temporal bone;側頭葉 temporal lobe;聴覚状回 auditory gyrus;脳幹 brain stem;毛帯 lemniscus;卵円窓 oval window;老人性難聴presbycusis