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医療現場の英語

医療現場で使われる英語を解説します

carpal tunnel syndrome - diagnosis and treatments

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手根管症候群 ― 診断と治療

手根管症候群は手首の手根管を通っている正中神経が圧迫されて生じる症状です。症状としては正中神経が支配している部位の痛みと麻痺が現れます。症状に基づいて疾患が示唆され、神経伝導検査で確定診断されます。治療としては、手首副子の着用、薬剤の服用、手術があります。

 

診断

手根管症候群を発症しているか調べるために次の検査が行われます。

  • 症状発症の経過 ― 症状を調べて疾患の原因を突き止める。正中神経は小指を支配していないために、小指に症状がある場合は、手根管症候群以外の疾患が考えられる。
  • 診察室での検査 ― 指の感覚と手の筋肉の強さが検査される。

手首を曲げて正中神経に圧力を加えると症状が現れる。

  • X線 ― 手根管症候群以外の疾患(関節炎や骨折)の可能性を除外する。
  • 筋電図 ― 筋肉で発生した活動電位を測定する。筋肉に異常があるかを検査し、他の疾病の可能性を排除する。
  • 神経伝導検査 ― 正中神経に微弱な電気インパルスを与え、手根管で電気インパルスが遅延しているか調べる。この検査により、手根管の状態を検査し、他の疾病の可能性を排除する。

 

治療

手根管症候群は症状が現れたらできるだけ早く治療を受けなけれがなりません。疾病が重症化すると、治療で完治しなくなります。

 

症状が軽ければ、時々、手を休ませ、症状を悪化させないようにします。冷湿布で手首の腫れを抑えます。

 

数週間で症状が改善しないときは、手首副子の着用、薬剤服用、もしくは手術を受ける必要があります。発症から、10ヶ月未満で、症状が重くなければ、手首副子や保存療法が有効です。

非手術療法

手根管症候群の疾患が早期に診断されれば、手術によらない次の治療法で症状を改善することが出来ます。

  • 手首副子 ― 睡眠時に手首を固定する副子を着用すると、ピリピリした痛みや麻痺の症状が軽減する。 
  • 非ステロイド性抗炎症薬 ― イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬は手根管症候群の症状を短期間、軽減できる場合がある。しかし、非ステロイド性抗炎症薬が手根管症候群の症状軽減に効果があるとの明確な根拠は無い。
  • コルチコステロイド ― 手根管に注射して痛みを軽減。コルチコステロイドは炎症と腫れを抑え、手根管への圧力を低減する。経口薬は注射薬より効果が低い。

 

手根管症候群の症状が関節リウマチなどの炎症性関節疾患が原因の場合は、関節疾患を治療することにより手根管症候群の症状が軽減する場合があります。

 

手術

薬剤等の治療で、重い症状が改善しないときは、手術を受ける必要があります。手根管手術では正中神経を押し付けている靭帯を切断して、神経への圧力を軽減させます。

 

手術は内視鏡手術又は切開手術で行われます。それぞれの術式にはリスクと利点があります。手術のリスクとして靭帯の不完全な切除、傷口の感染、瘢痕形成、及び神経・血管損傷があります。手術による結果は術式による違いはありません。

  • 内視鏡手術 ― カメラを取り付けたチューブ状の器具を使用して、手又は手首に1つ又は2つの小さな切り口から靭帯を切除する。内視鏡手術は切開手術より術後の痛みが少ない。
  • 切開手術 ― 手首に大きな切り口を開け、靭帯を切除して、神経への圧力を軽減する。小さな切り口を開け、合併症のリスクを軽減する切開手術も行われている。

 

術後の治癒過程で、正中神経は圧力を受けずに、靭帯組織は徐々に元の状態に戻ります。手術後は、手を激しく動かしたり、手首を大きく動かさないように注意しながら、徐々に手を使うようにします。手術後、数週間から数ヶ月間、痛みや脱力感が続くとがあります。手術前に、重度の症状が合った場合は、手術により症状は完全には改善しません。

自分でできる症状軽減方法

痛みがでたら、次の方法で一時的に症状を軽減することが出来ます。

  • 手を繰り返し使う作業を中止する。
  • 手首を回転させ、手首と指を伸ばす。
  • アスピリンやイブプロフェンなどの鎮痛薬を服用する。
  • 夜間、手首副子を着用する。副子は手首に正しく装着させる。
  • 手首や手の痛みや感覚麻痺を軽減するために手を枕にして眠らない。

 

Keywords

痛み soreness;炎症性関節疾患 inflammatory arthritis;関節炎 arthritis;関節リウマチ rheumatoid arthritis;筋電図 electromyogram;手根管症候群 carpal tunnel syndrome;正中神経 median nerve;神経伝導検査 nerve conduction study;切開手術 open surgery;脱力感 weakness;治癒過程 healing process;内視鏡手術 endoscopic surgery;瘢痕形成 scar formation;非ステロイド系抗炎症薬 nonsteroidal anti-inflammatory drug;副子 splint;保存療法 conservative treatment